自称SSWモドキひでやんの妄言集2~中まで生焼け~

和歌山県在住。自称シンガーソングライター兼バンド「フレッカパンジー」のボーカル。食べてる時は幸せ。おなかがすくと不機嫌。音楽活動の告知及び天国と地獄が観覧車のようなペースで訪れる平凡な日々をひっそりとまとめる。

おしりあいになりたい。

ひでやんです。



先日読んだ、西加奈子さんの『炎上する君』

全8編からなる短編集なんですが

これがまた、めちゃくちゃ面白くて



「あなた」という二人称で物語が進む『太陽の上』

拾った携帯電話で、見知らぬ誰かとメールを続ける『空を待つ』

山崎ナオコーラが憎い!『甘い果実』

「足が炎上している男」を知っているか?『炎上する君』

自意識の始まる前と、終わった後の話『トロフィーワイフ』

こんなにも愛している、なのに憎くて仕方がない『私のお尻』

誰かじゃないあなたではなく、誰でもないあなたに会いに行く『舟の街』

地に足を付けて生きる為に必要なものは何?もしそれを手放したら?『ある風船の落下』



まるで「世にも奇妙な物語」の怖くないヤツみたいな

少しファンタジーじみた、詩集のような小説でもあります

ピース又吉さんによる文庫版解説にて

『女性性』や『存在意義』に対する疑念というものが、この作品共通のテーマだと書かれていましたが

全くもってその通りだと思います

『女性』ではなく、『女性性』

これは老若男女関わらず、誰しもに内包されているものだと思っています

己の存在意義

それに悩むことも、大抵の人間が経験する事でしょう

つまりこの小説は

あなた自身の物語であり

私自身の物語でもある

一編一編が短く(15分程で読める)非常に読みやすい

だからこそ、後味がシンプルに強く残る

久しぶりに、一生物にしたい小説に巡り会えました



ちなみに

お尻には僕も自信があります(当社比)。



今日の一曲

ランジェリーパブ/ケツメイシ

"こぼれそうなEカップ プリケツにTバック"

西加奈子さんはエッセイ集もオススメ。